2011年の日本の貿易収支が赤字に転落した。これは第2次オイルショック後の1980年以来31年ぶりとのこと。
東日本大震災の影響、超円高に加え、福島の原発事故による電力不足と発電用LNGの輸入急増、さらにはタイの洪水など多くのマイナス要因が重なっていることも大きく影響しているだろう。
80年代レーガン政権以降、米国は財政赤字と経常赤字(貿易赤字)という「双子の赤字」を抱え経済が低迷したことはご承知のとおり。
そのころ、日本は「経済大国」としてバブル時代を謳歌していた。
そして、20年後…、いよいよ日本も近い将来「双子の赤字」を抱える可能性がでてこようとは。いま、日本は政治も、経済もほんとうの踏ん張りどころにある(岐路に立っている)のは間違いないだろう。
【毎日新聞 2012年1月26日 東京朝刊】
「貿易収支:赤字、慢性化懸念も 31年ぶり、新興国追い上げ
財務省が25日発表した11年の貿易収支(輸出額から輸入額を引く)は2兆4927億円の赤字となり、31年ぶりに赤字に転落した。歴史的な円高水準を受けた生産の海外移転や新興国の追い上げなどを背景に貿易赤字が慢性化するとの見方もある。「輸出立国」の日本経済は転換を迫られている。【小倉祥徳】
古川元久国家戦略・経済財政担当相は25日の記者会見で「昨年(の貿易赤字)は一時的」と述べた。ただ、円高や海外経済の減速で輸出の回復は鈍い。このままでは日本は海外からの借金頼みの経済構造に転じかねない。
貿易赤字が膨らめば経常収支も悪化する。経常黒字だと海外から借金する必要はなく、今は国内投資家が日本国債の9割を買っているが、赤字に転落すれば国内だけでは国債をさばけず、海外投資家に頼むしかない。
問題は、先進国最悪の日本の財政だ。国と地方の長期債務残高は国内総生産(GDP)の約2倍。経団連の米倉弘昌会長は財政健全化が進まないと「日本売りが始まる」と警戒。そうなれば「1%前後で安定している長期金利は急上昇して円安が加速」(証券アナリスト)し、債務の大きい中小企業や住宅ローンを抱える個人の負担が重くなり景気に悪影響を与える。国の歳入も利払い費に消え、社会保障費の大幅削減や増税が避けられない。
25日の外国為替市場では、貿易赤字が資金の海外流出につながるとの思惑から円売りが進んだ。円安は輸出にプラスだが、東京電力福島第1原発事故を受けた火力発電向け燃料の輸入増が続く中、液化天然ガス(LNG)などの価格を押し上げる。消費の勢いが鈍いのに電力料金などが上昇すれば、家計や企業を一段と圧迫する。…」






