唐津地域経済研究所(行政視察その1)

政策, 議会報告 No Comments

1月29日~30日まで九州へ行政視察に行ってきました。

視察先は佐賀県唐津市と武雄市。

まず

1.唐津市:唐津地域経済研究所について

H21年11月、市長の肝いりで設立。

・目的は「地方分権時代に…地域の実情を正確に把握し、そこから見えてくる行政課題を地方自治体自らが解決…。そのために…地方自治体の政策形成能力を向上させる…。施策の展開には、…データ収集とデータ分析を行う機関を設け、政策立案をサポートする体制を構築…、民間事業者の経営戦略にも活かしてもらうこと…」

・組織体制は副市長が所長を務め、副所長以下所員は市の関係職員で構成している。設置要綱には副所長や市長の務める顧問、そしてアドバイザーに民間人、大学教授等を規定しる。しかしあくまでも「バーチャルな組織」で、予算も置かれず、データ収集と公開にとどまっているのが現状という。

・地域の経済データは6項目(観光、企業活動、一次産業、雇用、個人消費、広域交流)、毎月1回市のホームページで公表(こちら→http://www.city.karatsu.lg.jp/benri_dtl.php?category=0920933001250224622&articleid=00464530013076041331027409698)

・データの分析は「地域経済の動向等に関する調査研究業務」として九州大学のTLO「からつ大学交流連携センター」へ委託。

・民間企業が所有するデータは「企業秘密」が多く、データ提供に消極的であり、必要なデータをそろえることが難しい。「データの収集から、いかに『政策立案』に結び付けていくか」が今後の課題。

…今回、私が地域経済研究所に注目したのは、従来の手法から一歩踏み出す発想にありました。まだまだバーチャルな域を脱していないとはいえ、官・産・学がコラボしてまちづくりに取り組むという発想はこれまでにない新しいものといえます。

高砂には臨海部に大企業の工場群が立地し、この企業群は高砂の誇る「産業資源」ともいえます。しかし現在、まちづくりに際して、「この資源を十分に生かせていないのではないか、またこれからの都市間競争に対応するために、市の特性を活かすという唐津市の発想が必要ではないか」との思いが強くなりました。

建設環境経済常任委員会

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今日は建設…常任委員会が開かれました。目的は(株)カネカが実施する予定の液状廃PCB高温熱分解処理施設など(プラントや配管、タンク等)の安全性向上策(解体・PCB廃棄物の保管など)についての現地視察と説明会。

〈基本は「PCB特措法」〉

このPCB処理プラントはS63年~H元年というから、今から四半世紀以上まえの公害対策施設です。確か全国に先駆けて設置した,PCBを「高温熱分解処理」する施設であったそうです。(この当時私は高砂には居らず、実際に経験したわけではありません。)

解体・処理後は概ね、PCB特措法(正式には「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」という長ったらしい名の法律)に基づいて処理されます。この法律施行の後、全国で北九州や大阪など数か所にPCB廃棄物(現在はまだ高濃度のものに限られているが)の処理施設が設置されており、各企業等で保管している廃棄物を順次無害化処理していると聞いています。

さてプラントの現場視察後の説明会では、私は以下の3点について質問

1.プラント等の解体・処理のイメージ

(巨大なタンクも切り刻んですべてをドラム缶・バッカンに密封して保管)

2.地震対策の津波高の想定は南海トラフの想定に対応できているのか

(3メートル(TP+3m)までは大丈夫。国、県の津波高の想定は3メートル以内とか)

3.直下型地震の液状化についての対策は

(保管庫建設に当たっての最大の課題だそうで、検討の上対策を講じていくとのこと)

いずれにしても、すべての処理が終了する(廃棄物として持ち出される)までには相当な年月を要することは明らかです。それまで、今回のようにしっかりと市民に情報公開・説明責任を果たしながら、安全に保管するよう万全の対策を望みます。

〈明日から九州へ〉

明日から一泊二日で九州(佐賀県唐津市と武雄市)へ視察に出かけます。報告は次回

ごみ処理方式について(その3)

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〈灰溶融について〉

平成8年に国は、ばいじんに含まれるダイオキシンの飛散・溶出防止の対策や焼却灰のリサイクル推進を図るため、焼却施設建設の際、溶融施設の付設を補助金の交付要件とした。平成11年にダイオキシン特別措置法の施行などもあって、灰溶融施設は全国で約200施設に増加(ガス化溶融炉を含む)。

しかし平成15年、温暖化対策を重視し、大量のエネルギーを消費する灰溶融施設の設置に対して、補助金交付要件を緩和、最終処分場の残余年数が確保されている場合などは溶融施設を付設しなくても補助金の対象とした。

〈灰溶融施設の問題点〉

灰溶融施設はガス化溶融炉と同じ問題をかかえている。

・1つは高い維持管理コストとトラブルの多さ。電気式、燃料式いずれの方式も維持補修費用や燃料・電気代に大きな負担がかかる。特に電気式についてはH23年の東日本大震災以降の電力需給逼迫や電気料金の大幅な値上げはさらに深刻な問題となっている。

・2つ目はスラグ利用の低迷。このことについては先にお伝えした通り。

このようななか、国はH22年には「廃止しても補助金の返還が不要」との方針を打ち出し、施設を廃止する自治体がみられるようになり、施設建設数も伸び悩んでいる。

〈セメント原料化と最終処分場の延命化〉

灰溶融施設の躓きにより、多くの自治体では「ごみ減量化」で焼却灰を削減、最終処分場の延命を余儀なくされている。

また、焼却灰を脱塩化しセメント原料を生成、これをセメント工場へ運搬・資源化するという灰リサイクルシステム(セメント原料化システム)も開発されている。

ただし、新しいシステムで実績が少ないため、コストや技術的評価を見極めながら進める必要がある。また、近隣に委託出来るセメント化施設が存在することが条件だ。

〈バランスのとれた判断を〉

いずれにせよ、ごみ処理方式の決定には、「ごみを安全かつ安定的に処理できる施設」「環境に配慮した資源循環型・省エネルギーの施設」「経済性(コストパフォーマンス)に優れた施設」などの基本理念・コンセプトを踏まえ、トータルとして最も優れた方式の採用する慎重な判断が求められる。

「しんがり―山一証券 最後の12人」を読む

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「しんがり―山一証券 最後の12人」講談社 清武英利著

著者はあの「清武の乱」でナベツネ氏から粛清された元読売巨人軍代表ですね。

面白い!「半沢直樹」以上に迫力があるなあ。やはり事実ゆえの説得力というものか…。

一気に読んでしまった。

アマゾンの紹介文から

「『俺たちで決着をつけよう』会社の消滅時に、最後まで意地を貫いた社員の物語。16年前、四大証券の一角を占める大手、山一證券が金融危機のさなかに破綻した。幹部たちまで我先にと沈没船から逃げ出すなか、最後まで会社に踏みとどまり、真相究明と顧客への清算業務を続けた社員たちがいた。彼らは社内から「場末」と呼ばれ、煙たがられた部署の連中だった―。」

1994年3月末まで在籍していた会社が舞台ではあるが、地方支店の個人営業(いわゆる兵隊ね)の経験しかない故、ここに登場する人物に直接かかわった機会は皆無に近い(唯一、入社試験の面接の際、最終の面接担当が終盤に登場する当時人事部長の青柳氏。面接最後に「山一で一緒に頑張ろう」と握手していただいた記憶が…)が、当時の役員含めなじみのある名前が懐かしい。

たんに、懐かしいだけではない。

16年前に彼らの成し遂げた社内調査委員会による調査報告書は、企業・組織における危機管理、不正調査実務の先駆的なさきがけであり、不祥事対応、危機管理、コーポレート・ガバナンスを考える上でも、重要な示唆を与える内容となっていると思える。

併読をお勧め(参考資料的に)

「修羅場の経営責任―今、明かされる「山一・長銀破綻」の真実」 

国広 正著 (文春新書) 文藝春秋

「滅びの遺伝子 山一證券興亡百年史」

鈴木 隆著 (文春文庫)文藝春秋

なお社内調査委員会による調査報告書はなぜかネット上でも読むことができます。

こちら→http://kunihiro-law.com/files/open/writing/524294be12mo88vnb5rhm_pdf.pdf

ごみ処理方式について(その2)

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〈コストについて〉

焼却施設の初期投資(建設費用)は焼却方式とガス化溶融方式に大きな違いはないようだ。しかし、ランニングコスト(維持補修費用)ではガス化溶融方式に不安が残る。

〈問題は焼却灰をどうするか〉

焼却方式とガス化溶融方式の大きな違いは焼却後の生成物

焼却灰の発生量は焼却方式でごみ量の約10%。このうちガス化溶融炉でも発生する飛灰は約3%といわれ、残り約7%が焼却方式では焼却灰、ガス化溶融炉ではスラグと微量の回収金属等になる。

・ストーカ式や流動床式の焼却方式では飛灰に加え焼却後の焼却残さが発生するため、最終処分量は一番多い。現在高砂市では、焼却灰(飛灰)、汚泥等の処理を近畿2府4県168の自治体が参画する大阪湾フェニックス(大阪湾の埋め立て)に頼っているが、これとて受け入れ期間がいつまで続くのか不透明な状況。最近では後述するセメント原料化や灰溶融のシステムを導入し、最終処分量の減量化を図ることも考えられている。それと並行して、新たな最終処分場の建設(場所・費用)について2市2町広域での議論、意思決定が必要となることが予想される。

・ガス化溶融炉では飛灰以外ではスラグ(ごみを1300℃以上の超高温で溶融したものを冷却し固化したもので細かな砂状となる)と回収金属のみ。焼却灰はなく、最終処分量の削減が見込まれると言われてきた。しかし全国的に、溶融スラグの利用状況は伸び悩んでいる(利用率は6~8割とも)。その理由は道路用骨材やコンクリート材としてJIS規格にあう「製品化」に多額のコストがかかるため。高砂市では、現在稼働するガス化溶融炉からスラグは年間約1,500トン生成されているが、建設当初は一部が市の下水道工事の際路盤材として利用されていたものの、ここ2~3年はニーズが無く、すべて市の最終処分場で埋立処分せざるを得ない状況がつづいている。これを見ても最終処分量削減のメリットは非常に「望み薄」といえそうだ。

〈灰溶融、灰セメント化による焼却灰の再生加工〉

近年は焼却後の最終処分量削減や焼却灰の無害化のために、焼却(ストーカ式)方式に、灰溶融炉(焼却灰を溶融してスラグ化)やエコセメント化(焼却灰をセメント原料として資源化)を合わせたシステムを採用する自治体が多数を占めるという。

以下、続きは次回…。

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